• "次期森林づくり指針"(/)
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  1. 長野県議会 2020-10-07
    令和 2年 9月定例会農政林務委員会-10月07日-01号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 2年 9月定例会農政林務委員会-10月07日-01号令和 2年 9月定例会農政林務委員会 農政林務委員会会議録(その3) ●招集年月日時刻及び場所   令和2年10月7日(水)午前10時30分、議事堂第4委員会室に招集した。 ●出席した委員の氏名    委  員  長        中 川 宏 昌    副 委 員 長        大 畑 俊 隆    委     員        清 沢 英 男       同           山 岸 喜 昭       同           竹 花 美 幸       同           小 林 君 男       同           花 岡 賢 一       同           中 川 博 司       同           両 角 友 成 ●欠席した委員の氏名    な し ●説明のため出席した者の氏名 (林 務 部)
       林務部長           井 出 英 治    森林政策課長         西 沢 弘 喜    信州の木活用課長       飯 田 浩 史    県産材利用推進室長      柴 田 昌 志    森林づくり推進課長      三 澤 雅 孝    鳥獣対策ジビエ振興室長   清 水 靖 久 ●付託事件   10月5日に同じ ●会議に付した事件   付託事件のうち1、3、7、10、13、14及び林務部関係所管事務一般開議時刻 午前10時27分 ●中川委員長 開会を宣した。  ▲ 日程宣告    林務部関係の審査  ▲ 議題宣告林務部関係)    付託事件及び所管事務一般を一括して議題とした。 ○中川宏昌 委員長 委員の質疑等発言を許可した。 ◆竹花美幸 委員 皆様、おはようございます。竹花美幸です。よろしくお願いいたします。では、まず最初に、森林整備地域活動支援事業、1,382万4,000円の補正について、お聞きしたいと思います。新型コロナウイルス感染拡大により森林整備が停滞していることから、事業体事業継続に影響が出ている状況と、昨日、説明をお伺いいたしました。今回の補正案は、森林経営計画の策定等に利用する森林の境界案の作成を支援するものですけれども、境界が分からなくて、明確化しないで、そういった市町村でお困り事がきっとたくさんあるのではないかと思われます。この境界案の作成というのは、具体的にどのように支援がなされるのか、まずお聞かせ願えたらと存じます。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 今回、補正をお願いしております森林整備地域活動支援事業において、対象となる境界案の作成が具体的にどのように行われるかという御質問かと思います。今回の事業は、実際に行うのは、所有者から森林経営の委託を受けた事業体境界案の作成を行うという形になります。森林境界案、明確になっているところはいいんですけれども、なかなかそうなっていないところも多いという状況がございまして、具体的な作業といたしますと、利用する資料としては、例えば森林簿、これは主にそこの土地にどんな木が、樹齢何年のものが生えているかというような情報が主体となっております。それから林地台帳、これは土地の所有者情報をまとめたものでございます。それから森林計画図、これは地形図に林班とか小班ごとの境が記入されているものなんですけれども、これが割としっかりできていれば、それが大体境界案になるんですけれども、なかなか、それが不明確な部分があります。あと空中写真ですね、5年ごとに長野県全域をぐるぐる回しながら撮っている空中写真のデータがありますので、これらのデータを重ね合わせまして、恐らくここが境界なんじゃなかろうかという点を案としてつくっていただきます。その検討した図を基に、現地で実際に測量を行っていただいて、仮の測点、杭を打っていただく。一般的に言いますと、そこまでが今回の事業の対象となります。通常の事業ですと、この後に、森林の現地に、所有者の方に立ち会っていただいて、ここの杭のところでいいですねというのを確定させていくという作業があるんですが、今回は、新型コロナウイルス感染症の問題もあるので、そこまでは求めないという事業内容でございます。 ◆竹花美幸 委員 市町村にとっては、やはり森林整備を進める上で、一番手間がかかる、時間がかかる作業が、境界だと思いますので、そこを手助けするというのは、とても有効なことであり、これこそ県がしっかり支援をしていくべき事業であるかと思います。  もう1点、お聞きしたいんですけれども、当初予算で1,672万8,000円、今回の補正で1,382万4,000円、計3,055万2,000円の事業費の予定でございます。これにより、やはり事業がさらに拡充されるわけですから、市町村にとっても、とても多くの市町村がこれによって境界案の作成ができるのではないかと期待いたすところでございますけれども、実際にどのくらいの市町村で支援ができるのか、また幾つぐらいの森林境界案が作成できる見通しなのか、そういったことはお分かりでございますでしょうか。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 今回の補正の中でお願いしています、この1,382万4,000円につきましては、実際にこういった事業、国で制度改正が行われたもので、もしこういう事業をやるとしたら御要望されますかという希望を取って、その要望額を計上させていただいているところでございますが、今回、手が上がったのが7市町村でございます。 ◆竹花美幸 委員 では7市町村のお手伝いをしていただけるということで、たしかこの事業、説明欄に、国による令和2年度のみの事業内容の追加とございます。これからも計画的に、そして効率的に間伐などを進めるためには、森林境界明確化というものは、支援することがとても重要であると考えますけれども、森林整備地域活動支援交付金というものがある中で、令和3年度以降の支援というのは担当課とすればどのように考えているところでしょうか。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 この森林整備地域活動支援事業につきましては、国からの交付金に基づきまして基金を設置して運用しております。その基金を基に、年によって若干差はあるんですけれども、現在、令和元年度末での基金残高が大体6,000万円ほどあるんですけれども、それを使いまして少しずつやっております。去年が988万円、平成30年度が1,485万5,000円、基金を使っておりますので、例年、大体このぐらいの規模感で使って、地域の森林の境界案の作成をやっているという状況でございます。今後も引き続き支援してまいりたいと考えております。 ◆竹花美幸 委員 御答弁いただきました。令和3年度以降がどうなるのかなと考えていたところですけれども、やはり境界案の手助けというのは、本当にここが第一歩で、市町村が、一番手間がかかる作業でございます。財源を見ると基金になっておりますけれども、どうか今後も市町村が、そして事業体森林整備をどんどん前に進めていかれるように、また引き続き基金を活用して事業費を確定していただいて、多くのところで境界案が作成できるように御支援を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。  続いては、先日、農政林務委員会現地調査をさせていただきました、林業大学校について、お伺いをさせていただきたいと思います。林業を支えていく上においては、やはり人材、未来を担う人づくりが最も重要であると考えます。今、林業で活躍する人材を育てる教育機関が全国で増えておりまして、調べてみましたら、森林・林業の学科などを設置している4年制大学が、私立・国公立合わせて29校、林業大学校は全国に18校、これはどちらも2019年時点での数値であります。各学校が生徒さんを取り合う様相もあり、どこも競争、競争と厳しい時代になってきているように感じております。そのような時代におきまして、長野県の林業大学校は、一番最初にできた伝統ある学校だと思います。今後も、さらに魅力がある、林業に夢を感じる県内外の多くの生徒さんに選んでいただける学校として、レベルアップさせていかなければいけないと、視察から帰って感じたところでございます。そういった思いの中で、林業大学校の魅力をさらに増すために、県として、今後、どのように取り組んでいかれるのか、お考えをお聞かせ願いたいと存じます。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 林業大学校のレベルアップについての御質問をいただきました。林業大学校の、我々でグレードアップと呼んでおりますけれども、グレードアップにつきましては、令和元年度に、関係課による庁内会議等も開きまして検討も重ねた上で、県としては、より効率的な人材育成を行うために、木曽・伊那フォレストバレーという構想の形成に向けまして、さらに検討を深めていこうというような結論を一旦いたしております。今後、関係機関による協議を重ねながら、次期森林づくり指針フォレストバレー構想を位置づけて、その上でしっかりと取組を進めていきたいと思っております。林業大学校につきましては、他校との差別化というのも重要な課題だと思っておりまして、様々な取組も、林大と連携しながら取り組んでいきたいと思っております。 ◆竹花美幸 委員 長野県森林づくり指針におきまして、計画が2年間延長されて、令和4年度までとなったところでございます。その中で、林業就業者数は、令和4年度には2万2,000人ということで、県は目標としています。平成30年の実績が1万5,000人ということでございます。違っていますか、すみません、では後で訂正していただきたいと思いますけれども、県内の就業者数を増やしていくためにも、優秀で地域に必要とされる林業人材をつくっていくために、また、県内の林業就業者数を増加していくためにも、林業大学校の、県として果たすべき役割と期待は大きいと思いますが、先日、やはり講師の先生方の充実等についても課題があるとお聞きをしました。また、林業大学校がさらに魅力ある学校になりますよう、そしてそこで学んだ生徒さんが、林業就業者を伸ばしていくためにも、長野県で活躍できるように、その就業にも御尽力をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  そこで、やはりこういった林業大学校ですとか、林業に進もうという意欲を増していくために、そしてよりよい地球環境を形成していくためにも、小さな頃から森林に興味を持つ、森林とか自然に親しむ、触れていくということが、私は重要であると考えております。そういった中におきまして、県といたしますと、木育の推進にはどのように取り組んでおられるのか、お聞きしたいと思います。 ◎柴田昌志 県産材利用推進室長 木育の推進に関する御質問でございますけれども、幼少期から木に親しんだり身近に感じてもらう、この木育活動は大変重要であると認識しております。このような中、森林づくり県民税を活用いたしまして、小・中学校が行います木工体験活動につきまして、令和元年度は37の取組を支援いたしました。また、子供の居場所の木質化として、児童センター商業施設のスペースの木質化であったり、調度品やおもちゃの設置につきまして、昨年度は68の取組を支援したところでございます。  平成30年度に、子供の居場所の木質化により設置をいたしました施設につきまして、利用者の皆様を対象にアンケート調査をいたしました。子育て世代の方を中心に1,000人を超える回答をいただいておるんですけれども、その御意見の中には、木のぬくもりですとか温かさ、香りをキーワードに使いながら、事業成果を好意的に評価する回答を多数頂いておるところでございます。これらの事業については、地域からの要望も非常に多くございますので、今後も継続して取り組んでまいりたいと考えております。 ◆竹花美幸 委員 お答えいただきました。これからも子供たちが楽しく親しんでいけるよう、取組をさらに工夫して進めていただきたいと思います。  そしてあともう1点だけお聞きしたいんですけれども、先日、テレビで、キャンプに行った女性が宿泊するテントに熊が出没したというニュースがありました。一歩間違えると大変危険な状況であったと思いますけれども、この質問をどうしようかと思っておりましたら、実は昨日、私が住んでおります地域に、県警から、熊が3時過ぎに出没して、近くの公民館ですとか、ゴルフ場が10分足らずのところに3か所あるものですから、気をつけるようにというお知らせがあったんです。最近やはり熊の出没がとても多くなってきて、これから大変危惧しているところなんですけれども、最近の熊の出没の状況、捕獲、人身被害の状況ですとか、対策などには、県としてはどんなふうに努められているのか、状況も含めて最後に教えていただけたらと思います。 ◎清水靖久 鳥獣対策ジビエ振興室長 熊の出没状況に関するお尋ねでございます。まず今年度の様子でございますけれども、各地で目撃情報が多くなっております。過去と比較してまいりますと、やはり地域的に偏りはございますけれども、全体的に多くなっております。全国的にもいろいろニュースになっておりますけれども、今年の場合も、熊の里地への出没が多い地域がございます。具体的に申し上げますと、昨年との比較でいうと、軽井沢町、伊那市、長野市、信濃町、それから須坂市、こういったところが多くなってきております。  それで、今の状況でございますけれども、熊が一番多く里地で目撃されているのが8月でございます。8月というのは、熊にとって餌が一番ない時期でございます。どういう物を食べているかというと、野イチゴとか、あと山のウワミズザクラとか、そういう木の実を食べたりしている。秋になってドングリが実るとそちらを食べるようになるということで、8月に餌がないと里地に出てくると言われています。それで、それぞれ、今年、目撃の多い場所を調べてみましたところ、やはりトウモロコシの畑に餌づいて出るとか、あるいは伊那市なんか特定のデントコーンの畑に出ているとか、そういうところもありましたけれども、なかなか因果関係がつかめないところもあります。  熊の出没は、やはり餌の問題ということで、熊はもともと縄張りを持ちませんので、餌を求めていろいろなところを広く動く。そういう中で、もう一つ絡んでくる要素としましては、出没しやすい環境、人の生活域と山の境界、そういったところが森林化してきている、あるいは耕作放棄地で、やぶが多くなって移動しやすくなっているということの相乗効果だと思っております。  一方で、冒頭に言われました山のキャンプ場とかは、もともと熊の生息域、テリトリーの中ですけれども、上高地のキャンプ場も、誘引された原因は人の食料、ごみということがありますので、自然の中のメカニズムは複雑ではありますけれども、やはり人の営みとの関連が深いものと捉えております。  そういったことから、緩衝帯の整備等を進めていく一方で、誘引する人の食べ物の管理を確実にしてくださいということと、あともう一つ、山に入る人は、そこには熊はいるということを前提に、鈴を持って入るとか、それから不用意に車でいきなり山に乗りつけて、降りた場所で鉢合わせということもよくありますので、そういったことに注意してくださいという注意喚起を行っているところでございます。 ◆竹花美幸 委員 ありがとうございました。熊に関する対応を定めた第二種特定鳥獣管理計画ですか、5年を1期とする計画もございます。また、令和4年度に改定となるようですけれども、最近、多くなってきているので、皆様、本当に危惧される一番の大きな課題かと思いますので、またその改定の中でお取組等をしっかりやっていただきたいと思います。以上でございます。ありがとうございました。 ◆小林君男 委員 よろしくお願いします。まず1点目なんですけれども、資料1の8ページ、森林整備地域活動支援事業、先ほど竹花委員が言われた、この境界の明確って、続いているものなんですか。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 すみません、質問の趣旨が分からなかったので、もう一度、お願いします。 ◆小林君男 委員 森林整備地域活動支援事業の境界の明確化というのがありますね。それと、資料4の森林経営管理計画の中の境界の明確化というのは、続いているものかということなんです。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 失礼しました。大きな違いで言いますと、森林整備地域活動支援事業は、基本的に林業事業体が、今現在、そこで森林経営を行おうとしている場所の境界の確定ということになります。資料4については、森林所有者自体が、御自身で森林の管理が難しいなという地域になりますので、今現在、森林の経営管理が行われていない地域になります。大方の場合、こういう場所は境界があやふやになっていますので、境界の明確を行うということで、今現在、森林経営を行おうとしている場所と森林経営が行われていない場所という差がございます。 ◆小林君男 委員 それを踏まえて、まず資料4について、森林経営管理制度森林環境譲与税の関連でいろいろお聞きしたいと思います。当初の予算で、森林環境譲与税というのはいろいろな分野で林務部も、特に松枯れとか、いろいろな事業にお使いいただいていると思うんですけれども、こういう中にあって、まだ始まったばかりですが、市町村活用事例について、林務部として何かつかんでいたらお聞かせいただきたいと思います。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 市町村に譲与された森林環境譲与税の使途というお尋ねだと思います。令和元年度の状況でございますけれども、総額で5億円ほど、各市町村に譲与されております。金額ベースになりますが、意向調査等準備作業に使われたものが5,000万円ほど、それから森林経営管理制度を担うための職員を雇用したというところで83万円ほど、その他、林道等の整備等に使われているところが多いんですが、実のところ、実際の事業はまだ始まっていませんので、今後に備えて基金に積み立てるというところが多くて、基金に積み立てていらっしゃる額が、金額ベースで5億円のうちの3億8,000万円ほどという状況になってございます。 ◆小林君男 委員 県内で5億円ということでよろしいですね。やはり市町村だと、大小いろいろあったり、人口とか、私有林の面積だとか、前回の委員会で、私、いろいろ質問させていただきましたけれども、全国平均だと920万円という数字が出ていて、私は非常に少ないかと思っています。昨日、山岸委員への最後の答弁で、林務部長が、県土の8割を森林で占め、ゼロカーボンの道筋も、県内で排出される二酸化炭素だけでなく、都市部の分まで改善させていくぐらいの覚悟で、林務部としては取り組んでいるみたいな答弁をされていますけれども、そういうことを考えると、この環境譲与税の配分の仕方ですね、特に政令都市やなんかにうんと重く行ってしまう。私はやはり、根本的に国にしっかりと、もっと森林の多い長野県とか岐阜県にたくさん配分できるようなことを求めたらどうかということを前回の委員会でも質問させていただいたんですけれども、そのことについては、何も行動はされていないんですよね。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 前回の委員会でも御質問いただきました。確かに算定の中に人口が入ってしまいますので、実際、森林のない都市部に多く配分されているという問題は課題であると認識しております。前回も答弁をさせていただきましたけれども、そういった都市部に配分された譲与税を、できるだけ長野県の森林のために使っていただくような取組をしていきたいということで、各市町村とともに取り組んでおるところでございます。  また、確かにこの制度、少しおかしいんじゃないかという思いもありますので、国へ要望していくということも一つ考えられるんですが、まずは、長野県で実際にこの森林環境譲与税の取組を始めてみて、やはりこの金額では全然足りないんだよという実績を見せていくこともまた大切かと思っております。先ほど来申し上げておりますけれども、現在の森林経営管理制度の取組を、なるべく早く実際の森林整備に、森林経営管理権等を設定して向けられるように加速化してまいりたいと考えております。 ◆小林君男 委員 ありがとうございます。ぜひそのような取組を、強力に推し進めていただきたいと思います。手前みそで申し訳ないですけれども、須坂市の担当者からは、こんな割合はおかしいんじゃない、議員さん、もっともっと国に働きかけてもらわなくちゃ、これでは少なくて駄目だよ、みたいなことを盛んに言われていますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  次に森林づくり県民税森林税について、いろいろお聞かせいただきたいと思います。前回の委員会の中で、冊子を頂きまして、読ませていただきました。その中で、森林税活用事業を検証する、みんなで支える森林づくり県民会議が7月21日に開催されて、おいでになります大畑副委員長も委員として大きく発言をされた議事録も読ませていただきました。そういう中で林務部としては、この議論を通じて、今後どのようなことを取り組むべきか、そういう課題をどうお持ちになったか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 森林づくり県民税県民会議の議題を踏まえて林務部の考え方ということでございます。当日は、本当に多岐にわたる様々な御意見をいただきました。中でも一番議論といいますか、御指摘いただいたところが、第3期森林税の一番の目的である里山整備事業、防災・減災の里山整備事業が思ったように進んでいないという状況で、この点、どのように考えていくのかという点が、非常に大きい議論だったかと考えております。これにつきましては、当日も説明させていただいたんですが、確かにまだ目標に対して非常に多くの面積が残っております。この辺り、今現在、何がネックになってこの事業が進んでいないのかというのを分析させていただいて、目標値を変える必要があるのかどうか、あるいはその運用をどう変えたらいいのかを検討しておりまして、次回県民会議、あるいは次の11月議会等で皆さんにお示しして御議論をいただければと考えております。  それからやはり、新型コロナウイルス感染症に対する林業への影響についても、御心配の声をいただいておりまして、その辺りについても、今回の補正予算の中で、緊急的に対応すべきものについて対応させていただくという状況でございます。 ◆小林君男 委員 頂いている冊子の中で、昨年度の森林税活用事業実績状況がありますけれども、台風19号で林道が被災したため計画どおりに事業が実施できず、本来の使途である里山整備は実績が目標を下回ったということが記載されて、今、おっしゃったとおり、例えば防災・減災のための間伐による里山整備、目標の1,800ヘクタールに対し実績は45%の803ヘクタール、地域住民らが主体的に参加する県民協働による里山整備の実績は、目標の25%の50ヘクタールにとどまったという説明がされています。この執行額は、前年度から繰越し分も含めた8億3,000万円というふうに、この活用事業で使ったお金は説明されていますけれども、本家本元である間伐による里山整備に使われた金額は、この8億3,000万円のうち一体どのくらいの割合を占めるか、分かったら教えてください。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 みんなで支える里山整備事業の防災・減災に係る昨年度の執行額が、2億1,700万円ほどでございます。それからみんなで支える里山整備事業県民協働が、4,927万円になっております。 ◆小林君男 委員 先ほども県民会議の中で、課長は課題として、なかなか思ったように進まない里山整備事業とおっしゃっていますけれども、今後、どのようにこれを打開していくおつもりがあるのかということを、多分、林務部内でもいろいろと検討をされ始めていると思うんですけれども、どのようにお考えでしょうか。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 すみません、まだ妙案という形が出ているという状況ではございません。実際、どういうところがネックになっているのか、事業体市町村、地域振興局等からよくお話をお聞きして、どのような工夫が必要か、現在、検討しているところでございます。 ◆小林君男 委員 森林税の基本方針の中で、森林づくり県民税活用事業の今後の方向性というのが冊子の中にありますけれども、それを読ませてもらうと、間伐の目標面積は、平成30年度から令和4年度の5年間で4,300ヘクタール、このうち令和3年度と最終年度の令和4年度には、それぞれ1,216ヘクタールと記載されています。令和元年度は803ヘクタール、今年度は950ヘクタールという数字を設けて、これは実績ではなくて、計画なんですけれども、そして最後の2年間は各1,216ヘクタールという目標を掲げていますけれども、現状を考えると、この実現はかなり厳しい状況にあるんじゃないかと私は考えるんです。それで、特に保育作業者も、この後の資料では4人増えて528人という数字を報告されていますけれども、こういう状況の中で、目標達成に向けて、この後、2年半の中でどういう有効な方策をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 委員御指摘のとおり、みんなで支える里山整備事業、特に防災・減災の間伐面積につきましては、昨年・今年と災害等による影響であったりだとか、下方の林道の状況であったりというもので、整備が進まない部分もあったことは現実的に把握していますし、今年も新型コロナの影響等で木材の利用が減少している中、搬出を伴わない森林整備ということで、今、森林税の事業にもシフトしている方向もあることは事実です。ただ、昨日もお答えいたしましたが、それでも、現状、防災・減災も含めた森林税の事業というのは、今年度はある程度の見込みが立つ状況での進捗はしているところですが、面積的な話で言いますと、実際問題、やはり防災・減災のため、ライフライン、人家等が近いということで、林縁部、特殊伐採といいますか、余計に単価の高い仕事を要望される場合がありまして、事業体からはそういった附帯事業に金がかかるという事前協議をいただいた上で事業を進めているような形で、金額的には若干消費はするんですが、面積はなかなか進まないという状況も出ております。そういったものの対策としまして、単価の見直しも行っているところですが、一方で、所有者への承諾等も手間がかかっている部分もありますので、そういったものを並行して進めながら、防災・減災のための森林整備を進めていくこととして考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆小林君男 委員 里山の整備というのは、私は、お金さえ出していけば進んでいくという話じゃないと思っているんで、それは皆さんも思っておられると思うし、今、やはり林業の担い手が少ない中で、どうやったらうまく事業が進んでいくかというのもあるんじゃないかと思います。先ほども境界の明確化という話がありましたけれども、やはり山間部の境界の明確化は非常に難しいし、もしかしたらここは誰が持ち主か分からないということも、私も山育ちですから大体分かるんです。昔は、あの大きい木が境だったよと思っていて、あの辺はあの家の所有だよというのも大体は分かったんですけれども、今になると、その人はとっくに引っ越しちゃって、その人たちは亡くなっているとかいろいろあると思うんです。境界の明確化とか、境界を確定する作業がなかなか進まないというのも、里山整備事業が進まない一つの大きな原因になっているんじゃないかと私は推測しますが、いかがですか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 委員おっしゃるとおり、長野県、1人当たりの所有面積が非常に小さく、1ヘクタール以下という方が多い中で、やはり不在村であったり、先ほど来お話のあります新たな森林管理システムを進める中でも、所有者の問題というのは非常に大きな問題になっております。そういった中で、ドローンやGIS等、ICTの技術をいろいろ活用もしながら、所有者の判断等を行いながら、森林整備を効率的に、計画的に進めるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆小林君男 委員 提案なんですけれども、今、コロナの中で失業者が増えてきている。意欲があったり、そういうことにたける人も、林務部として人材を募集して、やはりそこに特化した、そういうことをやっていただくような方をつくっていくということが、私は非常に大事じゃないかなと思っていますし、そこまで皆さんや地域振興局の林務課の皆さん、また市町村の林務担当の皆さんが進めていくというのは、非常に大きな障害があるんじゃないかと思うんで、その点を考えていただきたいということを要望しながら、森林税に対して最後の質問です。  これは、一般質問でやるような話なんですけれども、やはりこの森林税の本来の目的というのは、国の補助制度ではカバーできない事業をやることであって、里山の整備をやることがあると思うんですけれども、今、申されますように、なかなか進まない。特に年々減少傾向にあるということは、やはり森林税そのものがもう要らないんじゃないか。いろいろな部分で補完できると思うので、林務部としては、この森林税、令和4年度までやりますけれども、それ以降は、私はもう森林税は必要ない、県民からこのお金を集めることは必要ないと考えますけれども、どのようにお考えでしょうか。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 大変厳しい御意見をいただきましたけれども、今時点で、次の第4期といいますか、第3期の後の森林税をどうしていくかということについては、まだ林務部では具体的な議論はしておりません。今現在は、この第3期森林税を継続するときに、皆さんに、これだけのことをやりますとお示ししたことを、できるだけしっかりできるように取り組んでいるという状況でございます。 ◆小林君男 委員 今後の進捗状況を見させていただいて、やはり来年か再来年の一般質問でやらせていただきたいと思いますので、次の質問に移らせていただきたいと思います。  大北森林組合の損害賠償の調停内容のことについて、お聞かせいただきたいと思います。やはり組合を健全な経営体とするためには、損害賠償自身が、私は不適切かなと考えている中で、質問させていただくんですけれども、和田議員と髙島議員がそれぞれ一般質問で行った中で、部長は、県民の負担増にはならないと言って、髙島議員が、労力だとか、そういうことを考えれば、やはり県民に一定の負担はあったんじゃないかと言っていますけれども、その点について、少しお聞かせください。 ◎井出英治 林務部長 大北森林組合の損害賠償請求に関する県民の負担があったか、なかったかというお話でございます。本会議で私が答弁をさせていただきましたのは、今回、減額をする3,900万円の部分については、森林整備が実際に行われていたということから、その部分について、県民負担が新たに発生したということではないですという答弁をさせていただきました。その後、髙島議員だったと思うんですが、この間かけてきた労力というようなお話があったわけですが、これは、請求をいたしまして、組合に説明をさせていただいて、そして調停が始まって、調停に対応させていただいたという中で、県職員の人件費、労力、旅費、そういったものは確かにかかっておりますので、初めからこれを請求しなければ、そういった労力はかからなかったであろうということは、それは確かにそのとおりということでございます。 ◆小林君男 委員 また研究させていただいてお聞きします。この資料の中の2ページに、一部施業分の中に、括弧で適用単価の誤りを含むということと、下の図では、一部施業の中に、適正単価に置き換えということがあるんですけれども、この適用単価と適正単価という言葉の意味が私には理解できないんですけれども、説明いただけますか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 一部施業分の、この単価の適正単価に置換という単価の差のことだと思いますが、例えば、今回、造林補助制度の中で整理伐という作業種があるんですが、その整理伐というもので申請した場合、現地は70%以上を主林木、主な木を伐採してなければいけなかったということになります。実際に補助金を交付したのはその70%の該当の単価分、例えばヘクタール100万円だとしますと、100万円で組合には補助をしておりました。ただ、今回、現地を調査した結果、実際に30%くらいしか主な木が伐採されていなかった。そうしますと、整理伐という項目じゃなくて、ほかの作業種の単価を該当させるという形になります。それが例えば30万円だとすると、その30万円分は適正で差額の70万円分は適正じゃなかったという形の考えでございます。造林事業ですが、基本的に標準単価方式というものを使っておりまして、出てきた申請に対しまして、現地調査の結果、標準単価を当てはめて補助金額を算定しますので、その標準単価の差の分という形での単価差という扱いになります。 ◆小林君男 委員 今、いろいろ説明があったんですけれども、いわゆるこの減額分ですね、アとイ、それぞれありますよね。この減額分、今、作業がどうのこうのといろいろ言われていますけれども、この減額がこうであったという一覧表みたいなのは、作業ごとにちゃんとお持ちなんですよね。やはり今回のこの減額ということになると、県民もそこに関心を持つ方もおいでになると思うんですけれども、例えば委員会に明らかにするとか、それは公表されるのかどうか、お聞かせください。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 今回の金額を算出するに当たって、当然、事業箇所ごとにどういう計算をしたかという表はございますので、いわゆる所有者情報等の個人情報に当たる部分とかございますので、そういった部分を除いたものであれば、御提供可能かと思います。 ◆小林君男 委員 この大北森林組合の件に関しては、主な取組の状況ということで初めの資料にも頂いているし、この間の6月議会のときも資料として頂いておって、読ませていただいています。この間、例えば林務部改革推進委員会の中でも御議論もいろいろあったと思うんですけれども、やはり私は、本体というか、いわゆる返還ですね、8億8,000万円弱ですか、このお金をしっかりと返還していただく、そこに一番ポイントを置いて、林務部としてはいろいろな部分で、大北森林組合に対して取り組んでいただきたいと思っています。こういう状況の中で、10年後、20年後には、今回みたいに少し負けてくれやみたいなことがあって、この8億7,900万円余のお金が、また減額されていくような状況がないようにしっかりと取り組んでいただきたいと思いますけれども、その点について、何かございますか。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 趣旨としては、大北森林組合にしっかり補助金の返還をしていただきたいということと受け止めました。組合は、集中改革期間が今年で終わりまして、来年度からの計画を、今、見直そうとしているところでございまして、県としては、その策定作業の中で、補助金、今回の減額後の賠償請求額も含めて、しっかりと返還していただけるように、指導と助言の両面からしっかりやっていきたいと思います。 ◆小林君男 委員 補助金返還の完全履行、これをしっかりと確約させてもらいながら、毎年、毎年、しっかりとした健全な経営体となるよう、林務部としても取り組んでいただくことをお願いしたいと思います。  最後に、全く違う話なんですけれども、こういうふうにいろいろな担い手が少ないとか、長野県における林務行政というのは非常に重要な部分を占めている。この本庁においでの皆さんは、そういう温度というのはなかなか分かっておられると思うんですけれども、地域振興局の林務課の皆さんにも、やはりあれだけのボリュームがある林務課ですから、それぞれの地域振興局の中で、しっかりとした取組を進めていただきたいという御指導もしっかりとやっていただきたいと思います。  一番はやはり市町村における林務担当者ですね。自治体によって違うと思うんですけれども、これがかなり手薄になっていると言い方は失礼ですけれども、なかなかしっかりと体制的にできていないんじゃないか。市町村における林務の担当とか体制の状況なんかについては、随時、林務部としてはしっかりと把握されているのかというのを、最後にお聞きして終わりにしたいと思います。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 市町村の現時点での体制ということでございますが、すみません、ちょっとお待ちください、資料がございますので。  〔小林委員から「後で」という声あり〕  すみません、後ほど。いずれにせよ、すみません、記憶で申し上げますけれども、林務専門の課が設置されている市町村もわずかでありますし、なおかつ係レベルでもそれほど多くの専門の係は設置しておりません。多くの市町村においては、いわゆる兼務体制というところでございまして、そういった意味では、市町村における林務専門職員の体制は、非常に薄い状況にございます。そういったこともございますので、今回の森林経営管理制度におきましては、広域連携を行う中で、今回、木曽広域につきましては、県から職員派遣を1名行っておりますし、それ以外に、地域林政アドバイザーという支援措置がございまして、特別交付税でこの人件費、見ることができるんですけれども、そういった森林経営等に専門知識を持つ方を市町村において雇用できるという制度がございまして、現在、15市町村で19名の地域林政アドバイザーを雇用されておりまして、そういった方々の力もいただきながら、市町村の林務行政を進めているという状況でございます。失礼しました。 ◆花岡賢一 委員 初めに議案の40ページなんですけれども、大北森林組合の今回の賠償請求について、あえてこういう聞き方をいたしますけれども、5の調停の内容の(4)、申立人及び相手方は、本件に関し、本調停条項に定めるほか、何らの債権債務のないことを相互に確認するとあります。一般の方という言い方が正しいかどうか分からないんですけれども、何ら債権債務がないことというより、あると思っちゃうわけです。とすると、今回のこの本件に関しということは、ここの場でお答えをいただきたいのは、損害賠償請求に係る調停及び債権の放棄についてのみということを確認したいんですが、お答えください。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 御指摘のとおり、今回、申し立てられた損害賠償請求についてのみということでございます。 ◆花岡賢一 委員 やはり、地元に戻ると、いろいろなところで、今回のこの件についてはどうなんだということを聞かれます。返還金も賠償請求金も同じお金と考えると、これは、誤解を招かないようにはっきりと区別をしていかなければいけない。混同している人もいらっしゃる中での発言なんで、多少幼稚に聞こえたかもしれませんけれども、ここだけははっきりさせておかなきゃいけない中での質問をさせていただきます。  その中で、本会議で髙島議員が質問したことへの答弁、そのまま読みますけれども、「民事調停が成立した場合、既に請求している補助金返還請求額に加え、確定する損害賠償請求額が新たに追加されることとなり、森林組合の補助金返還計画の見直しが必要となるとの判断」という答えがあります。今の話でいくと、そもそも、補助金に関しての返還と賠償請求というのは全く別のもの、影響し合うことはないという認識での話なんですが、大北森林組合としては、さっきも言ったとおりなんですけれども、返還していくのは、結局、同じお金です。とすると、影響しないはずはないと思うんですが、その点の考え、改めてお示しいただけますか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 今回の調停の手続の対応は、損害賠償請求に係るものであり、今回の調停の内容が補助金返還請求の内容に影響するものではないと考えております。しかし、組合が、今、計画的に返還をしているものについては、補助金返還請求に対してでございますので、今回の損害賠償請求額が新たに加わるということは事実でございます。組合にとって、返済の総額が増となるために、今年度中に組合で行うことにしておりますが、計画の見直しが必要だと判断したものでございます。 ◆花岡賢一 委員 再度、確認させていただきますが、この賠償請求を受けた、今回、債権の放棄に関しての議案が出ている中で、賠償請求の支払い計画と、全体の補助金の返還の計画というのは、別立て、二つのものがあると認識していいですか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 実際に請求の内容等は影響しないですが、組合の県に対する債務は増加しますので、実際の返還方法には影響していくものと考えております。組合で実際の返還計画は立てるものでありますが、県でも、その辺について共有する中で、全体の返還方法について、今後、協議して決めていきたいと考えております。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 すみません、若干、補足させていただきます。今現在は、組合は、補助金返還債務は認めていて、それに対する返還計画を持っています。損害賠償請求については、その債務を認めないことから、今回、調停に至りまして、これでもし調停の議案が、議会と、それから組合の総代会で認められれば、この2,800万円という、県から組合への債権、組合から見ると債務が確定いたします。今現在、組合が持っているのは、補助金返還についての計画だけですので、そこに今度、2,800万円分をどう返していくのかという計画を新たに立てなければならないという状況になりまして、そこは、補助金だけの返還計画と損害賠償の返還計画だけを別に立てても意味はないので、実際、県というか、そのほかの債権者に、どうやって返していくのかという計画を、これから県と協議して定めていくことになります。 ◆花岡賢一 委員 ですので、補助金についての返還計画はあるけれども、賠償請求についての計画については、今回、この別途協議するという中に含まれているんですか。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 委員御指摘のとおりでございます。 ◆花岡賢一 委員 とすると、多少の違和感というか、これ、こういうものなのかなと思うんですが。普通、いつになったら支払いができるという期限、支払いの時期が定められた状態で、議決なり、私たちに言ってくるのが筋ではないかなと思うわけです。支払いの時期はまだ決まっていません。ですけれども、賠償金についてのその減額については認めろ。ここのところで、いついつなら返せるという計画を見せてもらった中で、減額を認めるなら分かる。ちょっとその辺、私とすると逆に感じたんですけれども、その点の説明、追加でできますか。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 今回のこの条項については、一言で言うと、一括、2,800万円をすぐに返してもらわない、組合の財政状況からするとそういう状況にないという判断もございました。ここについては、裁判所が間に入った調停の中で、当然、支払い時期というのは、通常の場合、決めていかなきゃいけないんですけれども、現時点で、いつどういうふうにというところまでは決められないという状況がございましたので、裁判所で、こういった決め方で、今後、両者で話し合ってくださいという調停案になりましたので、それを受け入れたということでございます。 ◆花岡賢一 委員 となると、県側の思いと組合側の思い、その合致するようなライン、のめるラインということになると思うんですけれども、それは、ある程度のところは見えているんでしょうか。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 今、補助金返還計画は33年間の中で返していただくという状況になっておりますので、今後、損害賠償請求の2,800万円を、その中でどう位置づけていくかというところなんですけれども、それについては、今後、次の5年間、あるいはそれを含めた補助金全体の返し方等も含めて、総合的に、組合と協議をしたいと考えております。 ◆花岡賢一 委員 これで集中改革期間が明けるということですので、その点も含めて、また指導というのを繰り返していかなきゃいけないのかと思うところがあります。注視という形だけではなくて、積極的に関与していっていただきたいということを添えさせていただきます。  今度、委員会資料3、大きな2番の経緯のところで、4月7日に調停開始とあります。この書き方だと調停が開始された、その後、括弧にこれまで5回の調停が行われたと書いてあるんですけれども、これ、今日までのところで5回の調停が行われたと取らせていただきますが、4月7日の調停開始について、6月定例会の委員会資料に記載がされていないんですが、これは何でですか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 前回、6月の委員会資料に記載のないという御質問でございますが、調停手続については、非公開ということにされております。原則として最終的な合意内容以外公表できないということになっているために、記載しなかったものでございます。このたび、最終的な調停案の確認に至ったことから、組合の了承もいただいて、調停開始日及び調停回数等についても明らかにしたところでございます。 ◆花岡賢一 委員 議会へのきちんとした報告ということがある中で、調停が開始されているということを委員会で報告できないということは、やはり多少の違和感があります。だとすれば、様々な問題を解決してきている中で、議会への報告ということが、附帯決議でつけた経緯がありますので、委員会資料で抜けているものが、今回、この時系列で出てきたことに関しては、ものすごく違和感を感じてしまったということを言わせていただきます。  それで、調停の内容については報告できないということは分かりましたので、それはのみ込みます。あと、先ほど小林委員の質問の中で、県民の負担であったり、そういったものがあったかどうかという答えを林務部長にいただきましたが、その中で、調停の費用は各自負担するとあります。この調停の費用、現在までにどれぐらいかかっていて、仮に第6回の調停まで持っていけるとしたら、そこでどれぐらいかかるのか。今までの金額と、6回で終わらなければ7回も持たなきゃいけないことになってくると思いますけれども、その見通し、その二つ、お答えいただけますか。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 まず、これまでに調停にかかっている費用でございますが、郵送代として2,000円、それから弁護士への着手金として69万3,000円。これで調停が成立した場合に、報奨金という形で弁護士さんにお支払いする形になるんですけれども、これは予備費対応という形で考えておりまして、この後、弁護士と調整、協議をさせていただくんですけれども、いわゆる旧長野県弁護士会さんの単価がございますので、それを基に弁護士と協議をさせていただくということでございます。 ◆花岡賢一 委員 分かりました。この件に関して、森林組合側の集中改革期間が明けて、ある意味、平時、ないしは、きちんとした返還計画に乗って運営できるような状況になっていく中で、これ以上、県としての支出というものはやはり聞きたくないと思っていますし、あってはならないと思っています。年ごとに見返りを行っていると言いますけれども、はっきり言って、私たちも、県民という方に説明をきちんとしていかなければいけない中で、情報というか、意識の共有だけはこれからもさせていただきたいと思っていますので、その点、要望させていただいて、質問を移ります。
     先ほど小林委員も触れていましたけれども、資料4について、お伺いします。質問の趣旨はまるっきり一緒なんですけれども、先ほど説明いただきました、資料1の8ページ、森林の境界について、新たな森林管理システムを構築せよという形で導入されている森林環境譲与税でも、ある意味、事業的にはフォローできちゃうように私も取れたんです。先ほど説明いただきましたので、それについては聞きませんが、森林環境譲与税が関与している事業とすれば、今の時点でこれ以外に何かありますか。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 森林環境譲与税の、今年度、県の使い道ということでよろしいでしょうか。森林環境譲与税、令和2年度では、約2億円、予算計上させていただいておりまして、県で設置しております森林経営管理支援センターの運営ですとか、市町村向け研修会、マニュアルの作成等で約1億円。その他、人材育成、担い手等の事業に3,000万円ほど。それから木材需要の推進ということで、県産材の製品コーディネーターを設置する事業等に約500万円、その他となっております。 ◆花岡賢一 委員 今、説明の中に含まれていたかどうかなんですけれども、資料4の裏、5の一番下のところです。実施方針策定市町村数は14なんですけれども、年度内に全ての市町村で策定を目指しているという答えが昨日あったんですが、そもそも、これ、県が促して策定してもらうものなのか、それとも森林環境譲与税市町村に入ったときに、同時にこれを策定する趣旨が含まれていたのか、県が主導していくことなのかどうなのかの認識を教えてください。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 この市町村の実施方針につきましては、国の制度の中で明確に位置づけられているものではございません。県で、市町村の皆さんと、今後、この制度どう運用していったらいいのか、いろいろ意見交換をする中で、やはりどういった地域でどういった期間でやっていくかという基本的な方針をつくらないと、その先がなかなか見通せないということで、まず方針を各市町村においてつくっていただいて、それに基づいて事業を進めていただきたいというお願いをしておりまして、その中で、各市町村で対応していただいているということでございます。 ◆花岡賢一 委員 分かりました。前回の6月定例会のときに積立ての話もさせていただいたと思うんですけれども、やはり計画は策定しないと実行に向かっていけないところもあると思いますので、その点はもう県がしっかり見てあげていただきたいと思っています。  今度、質問が変わります。現地調査を行った中でなんですけれども、林業大学校について、お伺いいたします。入学者数の減少について聞いたところ、近隣に同様の学校ができたため、志願者が移った、もしくはそちらに奪われたみたいな答えがあったんですけれども、近隣とはどこのことを指しているのか、教えていただけますか。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 林業大学校の入学者の減少の原因についてのお尋ねかと思います。全国の林業大学校、林業大学校と呼ばない、林業大学校見合いの学校もございますけれども、近年、設立が進んでおりまして、令和2年度には北海道で、令和元年度は鳥取県・滋賀県・三重県でそれぞれ開設はされてございます。長野県、8県に接しておりますけれども、そこでは、林業大学校相当の学校につきましては、静岡県・群馬県・岐阜県・富山県に、それぞれ同様の学校がございます。 ◆花岡賢一 委員 ありがとうございました。新たにできるところもあるというのは、ニーズが高まっているということに取れることですし、志す方が増えているという状況で、新たにそういった学校ができていくという認識で、多分、正しいと思うんですけれども、その中で、長野県の林業大学校、一般の志願者が近隣の学校に奪われたという説明は、理解ができるんです。新しいところであったりとか、より近いところだったりとか。だけれども、推薦に関して、今まで推薦が20人であったところが10人ということで半減している。この推薦が半減しているということについては、ある意味、魅力のある学校というものに関して、長野県の林業大学校は、欠けている、もしくは落ちているという評価を頂いてしまっているのではないかということを危惧しているんですが、考えがあれば教えてください。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 林業大学校の推薦入学のお話です。減っているという御指摘かと思います。確かにおっしゃるとおり、令和2年度につきましては、推薦入学の志願者が減ったというのは、我々も確認しておりまして事実でございます。非常に残念なことであり、その辺は、ちゃんと盛り返していかなきゃいけないということで、意識を高めておるところでございます。県としては、農林系の高校を中心に、学校訪問を強化して志望者の確保と、あと林大の紹介をしっかりしていくということで、御理解なり御協力をしていただくということ、地道な活動でございますけれども、しっかりやっていくとともに、林業大学校の授業内容としましても、他校との差別化を図れるような、環境整備ですとか、そういったものをやってまいりたいと思っております。  現状についてですけれども、3年度に向けての、現在の推薦入学として志願見込みの状況を確認してみたところ、昨年度とは違って非常に好調で、昨年度は間違いなく上回っていくということで聞いております。 ◆花岡賢一 委員 実際、現地調査で入ってみると、パソコンであったり、スマートフォンであったり、学校の内容を見られたりとか、かなり努力されているところを感じてきました。その中で、授業の内容とか、ほかの学校との差別化によって、学生さんといいますか、林業を目指す方の卵を育てていただきたいということを、要望、添えさせていただきます。  これで最後にしますけれども、その現地調査の中で、木曽郡町村会の方から、野生鳥獣被害対策の推進について陳情を頂いています。その中に、新たな銃猟者の育成・確保の内容を見ることができました。長野県ではハンター育成講座を展開してきていますが、私の知り得る限りですけれども、イメージ的にわながかなり多くて、銃に関しては猟をする方の育成が、弱いとは言いませんけれども、こういった形で要望が出てくる中で、銃の猟をする方の育成だとか確保を求められたことがありますので、今、どういう状況になっているのか、教えていただけますか。 ◎清水靖久 鳥獣対策ジビエ振興室長 銃猟者の確保についてのお尋ねでございます。県では、平成26年度からハンター養成学校ということで、銃・わなの新規の免許を取って新たにハンターになってくれる皆さんを養成する、そういう事業を開始しております。その中で、銃についても、まず興味を持ってもらい、そして免許を取るためにいろいろ手ほどきをしてということで、実績でございますけれども、平成26年度から昨年度まで6年間のうちに、受講者数が377人おります。そのうち、銃の免許を取った人が130人おります。わなだけ取りたい人もいるし、銃を取りたい人もいる中で、130人、全体の35%が取っております。  ではこれがどのぐらい増えたのかということをイメージ的に表しますと、平成26年にこの講座が始まる前の6年間を平均してみますと、新規に銃の免許を取る人が大体1年間に144人くらいですけれども、講座を始めてからの6年間の平均を取ってみますと、1年間に202人になります。ですので、この講座を受けた方が免許を取って、その人数が確実にオンされているという状況でございます。  ただ、やめていってしまう人、銃をもう手放してしまう、猟友会を退会してしまうといった人も多くなってきておりますので、その人数が、今の状況で減らさないということが目標になりますけれども、そういったことを見越した中で、昨年度から、銃を取る人の割合を増やしたいと思って、ハンター養成講座の開催の仕方というものを変えてきております。というのは、銃猟、わなもそうですけれども、総合的なアウトドアのアクティビティーとしての魅力を感じてもらうということで、講習自体のやり方もエンターテインメント性を設けて、若い人に興味を持ってもらうということで、2年のカリキュラムに切り替えております。それで、去年の受講生の中で銃の免許を持っていない人が36名いたんですけれども、現時点でそのうち20名が取得しておりますので、確実に銃を取る人の割合は増えてきております。  一方で、若い人たちに取ってもらうためには、やはり情報発信が大事になりますので、ハンター養成学校の様子をSNSで見られるようにして、みんなでその情報を共有できるようにして、若い人の興味を引いていくというような形で、今、工夫して取り組んでいるところでございます。 ◆花岡賢一 委員 しっかり答えていただいてありがとうございます。以上で私の質問を終わりたいと思います。 ○中川宏昌 委員長 午後1時30分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午前11時50分 ●再開時刻 午後1時25分 ○中川宏昌 委員長 再開を宣した。  初めに、先ほど小林委員から資料の要求がありました、大北森林組合の損害賠償請求に関する一覧について、これを委員会として資料要求するに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  さよう決定いたしました。それでは、資料を配付させます。      〔書記 追加資料配付〕  この資料について、理事者の説明を求めます。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 別添追加資料「損害賠償請求一覧表」により説明した。 ○中川宏昌 委員長 大北森林組合への損害賠償請求に係る調停及び債権の放棄に関して、理事者から発言を求められていたので、これを許可した。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 先ほど現場から連絡がございまして、本日、午前中に行われました大北森林組合の臨時総代会におきまして、調停案が議論されまして、案のとおり議決されたということでございますので、ここに報告させていただきます。 ○中川宏昌 委員長 委員の質疑等発言を許可した。 ◆中川博司 委員 よろしくお願いします。頂いたばかりで、よく分からないんで、今まで損害請求額としてあった金額がA欄で、今回、差し引く分がB欄、結果、C欄ということで、アとイの違いは、一部施業と施業ですね、はい、分かりました。この合計ということでいいんですか。アとイの合計の6,100万円を、本来、損害賠償請求していたけれども、施業・一部施業の合計の3,900万円は免除して、残り2,186万4,300円は引き続き請求をするという理解でよろしいですか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 そのとおりでございます。 ◆中川博司 委員 これも部長から既に説明はあるんですが、一応、県民の皆さんに説明するときに間違ってはいけないので。そもそも、最初から3,900万円を免除して請求していればよかったんじゃないかということについては、どういう説明をしているんでしたか。 ◎井出英治 林務部長 当初、この表で言いますと、A欄の6,100万円余について、請求をさせていただきました。これは、法的課題検討委員会で検討する中で、請求し得る最大限の額ということで示された額、それに当たるものでございます。当時、請求する時点での考え方といたしましては、県民負担を最小限にするべく、請求可能な部分については請求するという考え方で対処させていただいたものでございます。  これに対して、組合では直ちに払うことはできないという中で、様々やり取りある中で調停をした結果、今回、このB欄にあります3,915万円分、実際に組合が施業をして、山に手を入れて山がよくなった、県全体にとって山に手が入って県民益が実現された部分については、請求することをやめるというふうにしたいと考えたということでございます。 ◆中川博司 委員 ごめんなさい、聞き方がよく分からないんですが、補助金の返還というのは分かるんですが、そもそも損害賠償というのは、どういう考え方に基づいてされているんでしたか。 ◎井出英治 林務部長 国から県に対して補助金が交付されました。県が組合に補助金を交付して、それで仕事をするというのが本来の姿であります。ところが、組合が十分な仕事をしなかった、あるいは全く仕事をしなかったということが起きたものですから、国から県に対して、国が県に交付した補助金を返してくださいよということを言われた。県は、そういうことを言われたので、組合に対して補助金を返してくださいよということを言うと。これが大部分の8億数千万円分はそういう流れになっているわけですが、国と県の間、県と組合の間で、時効の取扱いに差がございまして、国から県に請求されて県が国に返したんだけれども、県は組合に対して補助金の返還を請求できない分というものがございました。これが、この表で言いますと6,100万円相当ということになるわけです。県といたしましては、補助金の返還は時効で請求できないけれども、この6,100万円相当分について、県は国に対して、こちらは時効にかかっていなかったので返還せざるを得なくなってしまったので、この分が県の損害である、ですから組合に損害賠償として請求をしますよという考え方で請求をしたということでございます。 ◆中川博司 委員 国に対しては、県は損害賠償のお金は全部払ってある。その金額を大北森林組合に請求をした。なので、結局、今回の差額というものは、施業されていたり、一部施業されているものなので、そういう考え方の下で、損害はなかったという言い方なんですか。という理解で、説明を県民の皆さんにしていけばいいのかという、私、今、言ったところだけ、もう一度、説明をお願いします。 ◎井出英治 林務部長 今、申し上げました部分については、国から県に対して交付された補助金は、県は国に返しましたということなので、言ってみれば行って来いで国と県の関係はプラス・マイナス・ゼロになっているわけです。そうしますと、県が組合に交付して、組合が仕事をしなかった、あるいは十分な仕事をしなかったという関係の部分が残っているわけでございます。そうしたときに、部分的に仕事をしたとか、あるいは時期を遅れて仕事をしたというのは、国の補助制度の面から見れば、それはやっていないのと一緒で、返さなければいけないというものに該当するわけですが。  国との関係は一旦差し置いて、それはなかったことにして、県と組合との間の関係だけ見た場合には、県が組合にお金を交付して、組合は、時期は遅れたけれども仕事をした、あるいは十分ではなかったけれども、安い単価でといいますか、完全な仕事ではないが仕事をしたというものについて、やった仕事の分を積算し直すと、3,900万円分の仕事をしていたと見ることができるということでございます。 ◆中川博司 委員 8割方、分かってきたような気がします。それで、大北地域は、雪も非常に多い地域でして、冬の施業というのは非常に大変な場所です。もちろん受けた仕事ですからやらなければならないのは当然のことなんですが、そんな点も念頭に置いておかなければいけないのかなという気がいたします。  それから別の件ですが、一つ確認したい件は、竹花委員から森林づくり指針の計画期間の見直しについて、既にされている理解でいいのかという意味での質問があったような気がしますが、森林づくり指針の計画期間の見直しと、長野県林業労働力確保促進基本計画の期間の見直しの状況について、説明をお願いします。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 まず森林づくり指針ですけれども、6月議会で御説明申し上げましたが、一応、2年延ばして、県の5か年計画に合わせたいというところまで御説明申し上げました。今現在、延ばしたときに目標値をどうするのかとか、その辺りの検討を進めておりまして、また、その辺の方針を定めた後に、11月議会に、こういった形でやっていきたいという御説明を申し上げ、御議論いただきたいと考えています。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 労働力確保促進基本計画につきましても、森林づくり指針と足並みをそろえながら、調和を図って検討を進めていきたいと思っております。 ◆中川博司 委員 そうすると、正式に県議会に報告されるのは、両方とも11月定例会ということで、信州の木活用課長にお聞きしますが、そういうことでよろしいですか。 ◎飯田浩史 信州の木活用課長 11月に御議論いただきまして、また2月の議会にお諮りさせていただければと思います。 ◆中川博司 委員 全体の総合計画との足並みをそろえるというのが大きなところだろうと思います。確かに、県民会議の中でも少し検討が必要な数字というのも読むとあるようなので、そこら辺の整合性が必要なんだろうとは思っています。  そこで、県民税の使い方については、みんなで支える森林づくりレポートが出されて配られているところです。午前中からも議論が集中しているみんなで支える里山整備事業の、防災・減災のための必要な里山の間伐が遅れているのではないかという指摘があります。このレポートのところでは、これまでにも説明がありましたけれども、東日本台風の発生に伴う林道などの被災により事業地まで通勤が困難になったこと、また、電線や道路などのライフラインへの倒木の処理などの対応のため人材が確保できなかったという理由が述べられていますが、もう一つ、最後にこう書かれています。これまで8割方行われてきたけれども、未整備のところは、小規模で分散的な場所が多くて集約がなかなか難しいというのが一つの理由として述べられていると思うんです。ですので、台風によって行かれなかったということは、今年、台風がなければできるという話になってしまうので、そもそもこの残された2割を進めるための一番の課題は、やはり小規模で集約がなかなか難しいところというのが主な原因なのではないかと思うのですが、その点について、現状、なぜそういうふうに、小規模などで難しくなってきているのかという説明と併せて、今後、そこについて地域主体の取組をさらに支援していくという方向性が書かれているので、具体的にどう進めていくのかということについて、お話しください。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 防災・減災の適用の箇所ですが、今回、第3期を実施するに当たりまして、現在、衛星写真等のデータ等により箇所の抽出を行って、市町村とお話をしながら計画箇所を選定して実施に向けて取り組んでいるところでございますが、委員御指摘のとおり、やはりどうしても小規模の所有者であったり、不在村であったり、境界の明確化ができない部分もあったりして、なかなかうまくいかない部分がございます。そういったものについては、いろいろな形で、境界の明確化等、取組は進めているところでございますが、なかなか難しい課題もあります。そういった中で、市町村、地元とお話ししながら、そういう危険な部分について、ある程度の団地化をできるだけ早く取りまとめて、面積的には小さい面積から施業は可能という規約にはなっているんですが、できるだけまとまった団地の中で取組ができるように取り組んでまいりたいと考えております。 ◆中川博司 委員 例えば、本年度で言うと、その小規模なところで、どの程度、そういう地域の住民の皆さんとの取組というのが進んでいるんでしょうか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 防災・減災の事業でございますが、今年度の取組でございます。面積的にはまだなかなか厳しい部分があるんですが、事業種的には、取組が済んだところについて、今年度、事業着手を予定している部分についてはほぼ着手が済んでいるという報告を受けているところでございます。面積的に厳しいというものにつきましては、やはり防災・減災で、里山が近い、道路が近い等で、特殊な施業を必要とするということで、附帯事業、事前にお金が余計にかかりますよという計画を出していただくんですが、そういったものが大きくなっておりまして、事業費が現場ごとにかかっている状況もありまして、そういった形の中で進めているところでございます。 ◆中川博司 委員 つまり、今までは比較的手が入りやすいところだったけれども、今後施業していくときには、極めて手が入りにくい場所に限られていくので、まず、その集約化だとか、そういったことが非常になかなか困難だという課題があることと、場所が場所なだけに、施業をするための別な費用もかかるということがあって、事業自体がなかなか進みにくいところが残っている。なので、県民会議の中でも、ぜひそういった現場の状況もしっかり理解してもらえるように、説明をしたほうがいいのかと思います。  それから、ライフライン等の保全対策については、目標の18か所に対して63か所ということで、市町村からそれだけ要望があったんだろうなと思いますが、今年度についてはどんな状況ですか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 ライフラインの今年度の取組状況ですが、昨年度の台風によりライフラインへの被害がまた発生している状況で、今年度につきましても、事業費・箇所ともに、計画を上回る要望をいただいておりまして、現在、森林税事業の中で事業費を調整しながら、地域の要望に応えられるように取り組んでいるところでございます。 ◆中川博司 委員 もう少し具体的に、例えば現段階で何か所くらいの要望が出ていると理解すればいいですか。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 ライフラインの保全対策でございますが、今年度の予定が27か所ですけれども、現在、要望が出てきておって、一応、執行予定としているのが32か所という状況でございます。 ◆中川博司 委員 それは、今年度に限って言えば、まだ増える要素があるんですか。それとも、取りあえず今出ている32か所を目標に整備していくということでいいんですか。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 今年度については、現状の32か所を執行するという予定でおります。 ◆中川博司 委員 それから、河畔林の整備は、建設部河川課の担当なので分かる範囲でのお答えでいいんですが、県民会議の中で言われている、生物多様性への配慮ということから、公共事業の環境配慮指針の適用をしなくていいように取消線で消しているみたいな話が出ているんですけれども、これ、説明できるでしょうか、お願いします。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 河畔林整備事業につきましては、委員御指摘のとおり、河川課で所管している事業でございますが、県民会議の中で、河畔林整備に当たっては、両岸の生物の多様性だとか、環境をしっかり見ながらやるべきだという御意見がありました。建設部で、工事をやる場合に、環境配慮指針という指針を持っておりまして、それに基づいてやりなさいということになっているんですけれども、今回の県民税でやっていただいた事業のところについては、それが適用除外という表現になっていたもので、委員さんから質問がございました。  当日、河川課の担当がしっかり答えられなかったもので、こちらで河川課に確認いたしましたところ、環境配慮指針自体は、要綱・要領の中で、入札価格が一応、8,000万円以上のものを対象にしているということでした。今回の森林税でやるような事業は金額がかなり低いものなので、直接、環境配慮指針の対象にはならないんですけれども、建設部の姿勢としては、要件的に環境配慮指針に適合しないものも、それ未満の事業であっても、できるだけ環境配慮指針の趣旨に即した事業執行に努めているし、今後も努めていきたいという回答でございました。その旨、県民会議の委員さんに御連絡したところでございます。 ◆中川博司 委員 要は、金額が8,000万円以上のものについては、その指針が必要だけれども、金額的に8,000万円以下のものは、この指針というものの対象にはならない。けれども、指針の趣旨をできるだけ生かして施業を行っているという説明だったと思うんですが、その環境配慮指針に書かれていることでいうと、例えばどんなことに配慮をするということになっているか、分からなければいいです。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 建設部の公共事業環境配慮指針の中では、河川流域の特性に配慮するということで、河道内のみならず流域全体の環境に配慮する、現況の特性を大きく変えないよう配慮する、湧水や特徴的な植物の群生地などは保全するよう配慮する、そういったことが挙げられております。 ◆中川博司 委員 ありがとうございました。私の住んでいる松本市の岡田地区でも、養蜂家がいて、河川にあるアカシアの蜂蜜を取っているので、一度に全部やられちゃうと困るという話があって、3年ごとにやっていくとか、そういった地域の皆さんともしっかり相談しながら、進めてもらいたいと思っています。  最後に、会派で佐久へ視察に行った際に、林務から説明をしていただいた件なんですが、蕃松院というお寺があって、その裏山が崩れています。これ、保安林になっているので、林務とすれば保安林の中の仕事をやるわけですけれども、しかし、保安林をしっかり整備すれば、その後の流末については、水の処理をしなきゃいけないわけです。ところが、そこの地籍はお寺の所有地になるということで、裏山はしっかり整備したけれども、その流末についてはどうしたものかという陳情が地元の皆さんからあったわけです。その場所では、地元自治体と地権者と、そして県の林務部もそこに入って、相談をしっかり行って解決をしていきたいというお話があったんです。  確かにそういう側面はあるんだけれども、私は、やはり県からももっと積極的に、市や地権者の皆さんとの協議の場をつくるということも必要なんじゃないかと思うんです。皆さん、実際、土砂が流れてきて、そして避難をしてという不安の中から、県に助けを求めてきている話なので、待ちの姿勢だけではなく、県としてはもっと積極的にそうした調整も行うべきなのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎三澤雅孝 森林づくり推進課長 治山工事における流末の水に関する処理対策という御質問だと思いますが、いずれにしましても、災害の発生原因、今回の場合は台風による降雨というもので、水が原因であるということは認識しております。今回、蕃松院の現場については、それほど、集水地形、水が集まる地形ではないということは聞いてはおりますが、その流末対策につきましては、次にまた同じような災害が起きないためにも、関係機関と十分な協議・調整を行いながら、対応方法やそこでの事業費の負担、それぞれの管理者がいるわけですから、その管理者の中でどういう対応をするかというものを協議しながら、再度災害防止のためにもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ◆中川博司 委員 それは、市から言われなければ相談に乗らないとか、そうは言わなかったんですが、県からはなかなか言い出しにくいみたいなことだったんで、県民の不安にぜひ寄り添う形で対応をお願いしたいということを申し上げて、私の質問を終わります。 ○中川宏昌 委員長 先ほどの答弁の関係で理事者から発言を求められていたので、これを許可した。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 すみません、先ほどライフライン保全対策、森林税を活用した事業の今年度の執行見込みについて御説明申し上げましたけれども、要望が強いもので、32か所よりも若干増える見込みでございます。よろしくお願いします。 ◆両角友成 委員 それでは、私からも何点か質問させていただきます。最初に資料3に基づきます、大北森林組合への損害賠償請求に係る調停及び債権の放棄について、伺います。私なりにまとめてみたんですが、大北森林組合には、県から8億7,988万円の補助金返還請求が出され、33年間で返済することが約束されました。平成29年から令和2年の4年間が立て直しの集中改革期間ということで進んでいますが、先行きそのものが不透明なのかなと思います。そのほか、国に請求された制裁金3億5,000万円のうち、県は大北森林組合に、今日頂いた資料のAを含め、6,748万7,000円を平成30年6月11日に賠償請求した。しかし、大北森林組合は、自分たちに責任はないので払えないという姿勢なのか、今年1月に調停の申立てを裁判所に行った。そして、先ほどからお話のある5回にわたる話合いが持たれ、結果、この表で言いますとCになりますか、県は請求額全体の42%に当たる2,833万5,000円に減額する議案を本定例会に第16号として上程していると、私は思っております。  今定例会本会議で、和田議員の質問では、当時、和田議員がこの委員会に所属していた委員会議事録を基に、組合の置かれている現状は、現在、集中改革期間であり配慮してほしい。これまで組合として地域の山を育てることに一生懸命取り組んできた。補助金返還にも真剣に取り組んでいる。事情を考慮してほしい。こういう理由で、組合側は減額を求めている。委員会での質疑の中での県側の答弁です。2018年から昨年度まで、この損害賠償請求は収入未済と。組合から調停申立て、大北地域の5市町村の首長さんが、6月に、経営再建の支障になりかねないと損害賠償の減額の要望と。  ここで、和田議員は、そもそもこの損害賠償の請求自体が妥当だったのかという問いかけで、大北森林組合の補助金不正受給は、決して許されることではありません。県が適正な実務を行っていればこのような重大な事件にならなかったということも、私たちは繰り返し指摘してきました。調停の結果として、今回、3,915万2,000円の減額案が出されましたと、これは県民益を損なうものです、つまり新たに県民の負担が生じるものです、県民に理解が得られるよう説明が必要だと思いますが、と質問し、答弁では、森林整備が行われたことにより、森林の持つ県土の保全や水源涵養といった公益的機能が高まり、県民がその恩恵を受けていると考えることから、裁判所が間に入った調停での話合いの結果、減額の判断に至ったものでございます、このことから新たな県民負担が生じているものとは考えておりません、以上でございますと。  数字というのは非常に説得力があって、先ほど資料を頂きはしましたが、私はあのとき、本会議でこの質疑・答弁を聞きまして、県が法的に最大限可能な請求を行ったと、言い切っているわけですよね。その請求額が6,748万7,000円、それを損害賠償請求した。しかし、調停により3,915万2,000円減額して、2,833万5,000円、これを議決願いたい。法的に最大限可能な請求と県が言う満額が返済されない。だから、私は、素朴に、お金が返らないんだったら県民益は損なわれたと考える。そういう理解は、県、林務部からしたら、おかしいんでしょうかと聞きたかったんで、先ほどいろいろ説明があったんですけれども、取りあえずあのときにストレートに思ったのはそれなんですが、この私の今の思いについて、もう一回、答弁願えますか。 ◎井出英治 林務部長 一旦請求した額が、今回、調停の結果、減額になるということは、県民にとって負担なのではないかという考え方は、それはその部分を見た場合には、そう考えるということは、あり得る考え方なんだろうとは思います。ただ、私どもといたしましては、調停の中で、裁判所も入って話合いを進める中で、県は、今回、減額をした額分の支出をしたけれども、組合が、時期をたがえたり、あるいは国庫補助の要件には達しない分量の仕事だったかもしれないけれども、組合が実際にコストをかけて山の中で仕事をして、山をよくするということをやった分について、さらに損害賠償請求をしてお金を県に納入してもらうということまで求めるのはいかがなもので、そこまでして損害賠償を貫徹しなければいけないということではないという考えに至ったため、今回、このような議案を出させていただいたということでございます。 ◆両角友成 委員 私が一つ気にしているのは、新たに山にもう一回入ったとか、もちろん時期がたっていますから、今、行ってもどうしようもないと私は思いますが、新たに調査に山に入ったわけではなく、法的課題検討委員会、要するに当時の報告を基に、これはもう何回も何回もそうですよね。そういうことであるならば、森林の持つ県土の保全や水源涵養といった公益的機能が高まり、県民がその恩恵を受けていると考えることからという、ここからいったら、和田議員も本会議場で言っていた、そもそもこれを請求する意味というのがあったんだろうか。それは、みんなが心配しているように、33年間という約束の下に大北森林組合が、8億7,988万円を返していかなきゃいけない。組合、先ほどの報告ですと、今日の総代会で議決されたということですが、そういう皆さんに、プラス課す必要があったのか、どうしても、そもそもというところに返ってしまうんですが、見解をお願いします。 ◎井出英治 林務部長 何回か申し上げていることの繰り返しになってしまいまして申し訳ないんですが、請求をした時点での判断といたしましては、法的課題検討委員会の報告に基づきまして、その時点で請求することができる最大限の請求をするという考え方で臨んだということでございまして、当時、請求したこと自体が間違っていたとは考えておりません。 ◆両角友成 委員 多分、堂々巡りになってしまうと思うんですが、あの本会議場でのやり取りを聞いていれば、えっ、というね、県も法的に最大限可能な請求をしたんだというふうにして、請求したものが満額返ってこないといったときに、いや、それは山に入っているからだといっても、その金額だけ考えたときは、やはり県民の皆さんが、あそこの部分で、あそこの場所で、あそこの時点で、すとんと胸に落ちるとは私はならなかったし、なっていない部分は多いんじゃないかと、私は考えています。堂々巡りになりますから、これ以上しませんが。  それと、今日も資料を頂くと、最終的なCというものについて、「C=A-B」とはっきり書いていただいてあるんですが、私たちが今までもらっていたり、今回、資料3で見ていますと、口頭では確かに、課長の説明で減額が3,915万2,000円ですと言いましたが、資料を見たときに、この3,915万2,000円というのはどこにもないんです。そういう点では、県民に、私たちに分かりにくい資料だなと。したがって、請求額は6,748万7,000円です、そして説明であったように、口頭であったように、減額が3,915万2,000円です。したがいまして、今回の調停額、2,833万5,000円となりましたという感じで書いていただけると、私らも、一々ここの、施業、一部施業だというところの2,933万5,000円、981万7,000円を足して、3,915万2,000円というようなことをしなくてもいいのかと思いますので、これは資料的なことなので、いやいや、行政はこうですよと言われればそうなんですが、できればそんなふうに、県民に分かりやすいものになっていただければありがたいと思います。  私は、これ、裁判所の調停ですから、そのものについて、何も言うつもりもございませんし、したがいまして、第16号についても可決するものと、そういう立場ではあるんですが、ただ、先ほど言ったような部分で、何か、少し回りくどい説明だったかなと、もう少し分かりやすく言っていただければ、私としてはありがたかったかと、そんなことを申し添えておきます。ちょっと重い話で出ていたんですが、すみません。  次、この委員会でいろいろなところを視察したという報告は皆さんもしていますが、9月8日、長野県の長野森林組合からも私たちの委員会に陳情がありました。丸太買入価格が低価格のため、発電施設までの運賃が事業費に影響している。この運賃補助あるいは価格保証の助成措置を願いたいという陳情がされまして、このときの質疑の中で、価格についてです。普通、トンと言っていましたが、昨日、山岸委員とのやり取りはトンだけじゃないということが分かりますけれども、普通、トン当たり、1万1,000円から1万2,000円が、今は6,500円から7,000円ということです。  これらに応える形で、県は、新規事業で、私たちが頂いている資料1でいうと9ページになりますか、要するに材が滞留しているんで、緊急に補助してほしいということです。私は、これはまさに、今、資金が必要であり、ほかの方も心配していましたが、この6,000万円の予算で大丈夫なのかな。それくらいに、今、本当に必要だと思っている皆さんに資金が行くということは大切なことであり、県がこういう措置を取っているということは、ここにもコロナ禍の予算だと書いてありますが、何も言うつもりはございません。  ただ、未利用材を燃料に出してしまうという発想が、今後は、こういうことも起き得るということを並行して、合板にただ出ているからいいとかそういうことではなくて、やはり長いスパンで、森林県から林業県にしようと県は言っているわけですから、最低でも何か幾つか策を講じておく必要はあるのかと思います。例えば今までやっていた農政委員会では、畦畔の草刈りがいわゆる高幅で非常に大変だと、そこに例えばカラマツ材、今回、余って困るというようなものを、いわゆる足を置く部分に、100メーターでも、200メーターでも、ずっと杭で打てば、そこに足をかければ平気で、そういうことをやっているところ幾つかあるので、そういうところに使うとか。あるいは、これだけ災害があれば、トンパック、あれに杭材として使うとか、いろいろ方法はあるような気がします。したがって、たまたま、今回、F・POWERがバイオマス発電を行うので、そこに持っていけばいいのかとか、そういうだけでは、私はどこかいけない気がします。  皆さんは、ヨーロッパにも出かけて、先進地だということで、合板の話とか、集成材の話とか、いっぱい聞きましたけれども、やはり、そういう先進のことも取り入れていこうとされているわけだし、昨日の部長答弁では、鉄の代わりに木材、あるいはエネルギーとして石油から取り返すというような、私は、これは大きなヒントだと思うんです。そういう点で、今回のこの一連のことを見て、今こそ林務部の出番じゃないか。長野県の林務部が、林業県にするために、こういうプランを持っているという、それを示す。そうしたら、本当に現場で困っていらっしゃる、木を切っていらっしゃる人たちが、売り場所がないから、不承不承だけれども、未利用材だけれども、燃やして燃料に、というのは何かすごいつらいものがあると思うんです。本当は、住宅のネタになるかもしれないものを燃やすわけですので。私は、それを見て、実に寂しい思いがしたものですから、少し力が入ってしまいましたけれども、見解をお伺いいたします。 ◎柴田昌志 県産材利用推進室長 県産材の新たな活用について、もう少し考えるべきだというような御質問かと捉えさせていただきました。県産材の需要拡大を進めるためには、新たな製品の開発というのは、とても重要であると認識しております。現在、県が関わっている一つの取組を御紹介申し上げますが、外材が使われておりますツーバイフォー住宅の部材につきまして、外材と強度的に同程度にあるカラマツ材に置き換えていく取組を進めております。この取組でございますけれども、国の助成金を活用いたしまして、2年前から行っておりまして、木材関係団体と林業総合センター、それからツーバイフォー住宅のメーカーが関わりまして、協力して取組を進めているところでございます。こちらにつきまして、部材の強度試験が全て済みまして、パネル化の実用試験も済みまして、今年度からいよいよ部材提供をしていくという方向になってきております。このような意欲ある事業者の取組につきましては、県も率先して指導してまいりたいと考えているところでありますし、建築用に限らず、土木ですとか、家具用等にも幅広く活用できるよう、支援を申し上げたいと考えているところであります。 ◆両角友成 委員 私は、この委員会で「枯れない油田」とかということで、皆さんに、提案といいますか、昔は、炭を焼いていた時代に、この山を一冬で焼くと、次の年はその横と、それが何十年たつと元に戻る、また炭が焼けると、それを地域ではずっとやってきた。いわゆる「枯れない油田」という発想って、昨日の部長の答弁でも、炭とか、まきとかという話もありましたけれども、いろいろなことを言ってきました。単年度で燃料として一番強いのは竹だとおっしゃっている方もいましたが、イギリスの研究では、なんと日本のカヤが、一番燃料効率がいいとか。そのようなことをこの委員会でもしてきたんですが、まさに、今、2050ゼロカーボンも含めて、いろいろなことを考える。しつこいようですが、皆さんの出番だと私は思っています。先ほどのも含めて、部長、何か一言お願いします。 ◎井出英治 林務部長 林務部頑張れという応援のメッセージを頂いたと受け止めさせていただきたいと思います。昨日も申し上げましたけれども、今のままでただ待っているだけでは、需要は生まれてきませんので、多方面に頭を巡らせながら、新たな需要を開発し、そしてこう木を育てれば売れるんだと、切れば売れるんだと、そういう状況をつくり出していきたいと考えております。ありがとうございました。 ◆両角友成 委員 9月7日、これも現場に行かせてもらいました。F・POWERプロジェクトに出かけたんですが、F・POWERプロジェクト云々のときに、私ら、真庭市に行く機会を得て、あそこの考え方はやはり木を余すことなく使うことかと、今回、出かけていって、まだ試験段階だし、燃料にするチップが非常にきれいだったんですよね。真庭の場合はもう、枝葉、バーク、皮まで全部ということなんですが。あのときそんなに一生懸命聞くというか、外でしたし、時間的に難しかったんですけれども、ボイラーも、例えばストーカ方式というものでなければ、バークとか枝葉までは入っていかないんですが、F・POWERの場合は、全然問題なく何でも燃えると思っていいんでしょうか。 ◎柴田昌志 県産材利用推進室長 F・POWERプロジェクトのバイオマスの燃料の関係でございますけれども、基本的には木材チップを燃やす施設でございまして、そのチップは、製材端材でもいいですし、原木でもいいですし、バークでも燃やせる施設になっております。 ◆両角友成 委員 真庭がスタートしたときも、やはりバークが山のようになってしまい、あそこは製材が非常に盛んで、最初はかんなくずをどうしようかと、これはもう皆さんに私が言うことでも何でもなく、そういう流れの中で、最終的にバイオマス発電にたどり着いたという感じだと思います。もう4、5年燃やし続けていて、FITが終わる、いわゆる20年間、その後、どうするか、価格をどう抑えるかみたいなことまで、今、真庭では研究されているということであります。  そこで、F・POWERに行ったときに、働いている方にも少しお話ししたんですが、真庭も土場が幾つもありました。1か所だとやはり、何かあったときに、チップ材にするのに、F・POWERも3種類ぐらい外国のものを使っていると言っていましたが、やはりただこう切るとかだとなかなか難しくて、ボクサーみたいにやるとかということで、アメリカのかなり大きなものが真庭にはありましたけれども、最低でも20年間は燃やし続ける。ということは、何か故障してしまったら、最初から並行して準備というか、もう動き出しますので、プラスしていくということは必要かと、そのときにやはり、二つ目の土場、三つ目の土場というようなことを考えて、木を集めておくことは必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎柴田昌志 県産材利用推進室長 現在の発電施設に隣接するストックヤードの貯木量は、2.5万立方メートルが上限でございまして、災害とかもしもの時に備える場合には、やはりもう一つ、二つ必要であると認識しております。この中、事業体が主体になりまして、塩尻市内に候補地を数か所選定をしてございまして、今、土地所有の関係を含めて、条件を交渉していると聞いております。 ◆両角友成 委員 稼働し出しましたので、もともとの床材も、何か6月定例会のときも聞きましたけれども、しょっちゅうやり取りして、県もかなりのお金を入れているところなものですから、ぜひ一緒にやっていっていただければと思います。  森林のことはずっと語られていて、森林を守り育てることは、日本の国土を守ることだという意味で、林業は、何よりも地域に根差した地場産業だと、製材から、先ほども答弁の中に、住宅とか家具という話までありましたが、木材利用まで広い裾野のある産業だと、バイオマス発電、長野県の場合、2050ゼロカーボンもうたっていますし、バイオマス燃料はじめ、低炭素社会に大きく貢献する可能性を持った産業だと私は思っています。人員が減りぎみだと、しかし若い人たちが、そうはいっても入ってきているという話もありました。  ヨーロッパに皆さんは出かけたんですが、ドイツは、調べると、森林面積というのは日本の4割程度だというんです。でも、日本と違うところは、木材自給率は100%、国内で回っていると、そして、あそこは、大きな自動車産業があるんで自動車関係が多いのかなと思ったら、自動車関係が75万人で、林業関係が130万人の雇用を生んでいると、それともう一つ、日本では非常に問題になっている限界集落は、あの広いドイツではないそうです。そうやって考えますと、この林業の持つ地域に根差した地場産業という点で、私はすごい潜在力があるんじゃないかと思います。したがいまして、この林業が持つ潜在力を引き出すという点で、日々、考えていらっしゃると思うんですが、部長として、どんな見解をお持ちか、最後にお聞きしたいと思います。 ◎井出英治 林務部長 林業が持つ潜在力というお尋ねでございます。現在、長野県の森林、50年生以上の伐採すべきところに、かなりの割合のものが入ってきております。ところが、現在の生産量、毎年、50万立米程度にとどまっておりまして、毎年の成長量はその3倍以上あるという状況です。今の3倍の木を切っても、まだ山の木は減っていかないという状況に今あるんです。ということは、今の3倍の人たちが仕事をしてもらっても全然構わないという、そういう山の持っている力はあるということが言えるかと思います。そうなっていかないのは、切った場合の売れ先がないということでありまして、先ほどコロナの話もございましたけれども、もともと苦労している中で、さらに合板としての売れ先がなくなるというようなことで、今回、緊急対策をお願いしたという状況に至っているわけでございます。  一刻も早く、これまでのような通常の状態に復帰することがまず大事でございますけれども、その先には、長野県の山、森林が持っている潜在力を生かすために、様々な方法で需要を拡大していく。それによって、その林業に携わる人を増やしていく。これがまた、限界集落というお話もありましたけれども、そういったなりわいで暮らしていくことを増やし、山村に暮らす人を増やしていくことにつながるのではないかと思って、努力を重ねたいと思っております。 ◆両角友成 委員 いろいろ申し上げましたけれども、本当に3倍の方が働いてもやれるだけのものはあるというお話もございましたし、今、コロナ禍で、多分、1年、2年で片づくとはどなたも思っていないと思う、そういう状況下ではあるんですが、ぜひ県の林業のために力を尽くしていただきたいと申し上げて、質問といたします。ありがとうございました。
    中川宏昌 委員長 御発言がありませんので、以上で質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、質疑を終局いたします。  ただいまから議案の採決に入ります。最初に、第2号「令和2年度長野県一般会計補正予算(第7号)案」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第7款 農林水産業費 第4項 林業費、第12款 災害復旧費 第1項 農林水産施設災害復旧費、第2項 公共土木施設災害復旧費の一部、第2条「第2表 繰越明許費」中の一部について、採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、第16号「大北森林組合への損害賠償請求に係る調停及び債権の放棄について」、採決いたします。本件、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本件は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  ただいまから陳情の審査を行います。当委員会に付託されております林務部関係の陳情を一括して議題といたします。過日、お手元に配付いたしました審査資料を御覧願います。林務部関係の陳情は、継続分2件、新規分2件であります。  なお、審査に際し、継続審査とする旨の御発言をされる場合は、なるべくその理由を一緒に述べていただくようお願いいたします。また願意が複数ある陳情で、その一部が採択できないために継続審査と決定した場合は、付記事項として陳情者に通知することについて、その都度お諮りすることといたしたいと思いますので、御了承願います。  審査手順について、あらかじめお諮りいたします。最初に継続となっております陳情2件を、続いて新規の陳情2件について、順次、審査をお願いしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  まず、継続分の審査を行います。継続分の審査に当たっては、6月定例会以降、状況に変化のあるものについては取り出して審査を行うことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  それでは、継続審査となっております陳情2件について、状況に変化がありましたら、理事者から説明を願います。 ◎西沢弘喜 森林政策課長 陳第21号「長者原太陽光発電施設建設計画反対について」、状況に変化がございましたので、御説明申し上げます。令和元年10月31日に事業者から林地開発許可申請に係る事前協議書が提出されまして、佐久地域振興局で事前審査を行ってきたところでございますが、この事前審査がおおむね終了する予定であることを御報告します。今後、事業者から林地開発許可申請書が提出された場合は、佐久市長の意見の聴取を行うとともに、申請内容を確認し、おおむね1か月から2か月で許可又は不許可の判断を行うことになります。  その他1件の陳情につきましては、状況に変化ございません。 ○中川宏昌 委員長 ただいま、状況に変化あるとされました陳第21号につきましては、取り出して審査いたします。理事者の説明はいかがいたしましょうか。      〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」「継続審査」と呼ぶ者あり〕  ただいま、委員各位から様々な御意見がありましたので、この取扱いについて、順次挙手により決することといたします。最初に本件について、まず継続審査について、挙手により採決いたします。念のため申し上げます。挙手しない方は、継続に反対とみなします。本件について、継続審査と決するに賛成の委員の挙手を求めます。     〔挙手多数〕  挙手多数であります。よって、陳第21号は、継続審査とすることに決定いたしました。  続いて特に状況に変化のない陳情を審査いたします。お諮りいたします。陳第256号については、引き続き継続審査とするに、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  続いて新規分の陳情の審査を行います。陳第289号についてであります。理事者の説明はいかがいたしましょう。     〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第289号については、採択すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に陳第300号についてであります。理事者の説明はいかがいたしましょうか。     〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょう。      〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第300号については、採択すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  以上で陳情の審査を終局いたします。  以上で林務部関係の審査を終局いたします。  次に、本委員会関係の閉会中継続調査事件は、お手元に配付いたしました資料のとおりとし、なお慎重に調査を要するための理由を付して議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に委員長報告について、何か御発言がありますか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕  それでは正副委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  この際、何か御発言がありますでしょうか。      〔「なし」と呼ぶ者あり〕   閉会を宣した。 ●閉会時刻 午後2時34分 △採決結果一覧(林務部関係)  (付託議案)   ▲ 原案のとおり可決すべきものと決定したもの(簡易採決)      第2号 令和2年度長野県一般会計補正予算(第7号)案中       第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中        歳出 第7款 農林水産業費            第4項 林業費           第12款 災害復旧費            第1項 農林水産施設災害復旧費            第2項 公共土木施設災害復旧費の一部       第2条「第2表 繰越明許費」中の一部      第16号 大北森林組合への損害賠償請求に係る調停及び債権の放棄について  (陳情)   ▲ 採択すべきものと決定したもの(簡易採決)      陳第289号、陳第300号   ▲ 継続審査と決定したもの(挙手採決)      陳第21号   ▲ 継続審査と決定したもの(簡易採決)      陳第256号...